多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎とは?
多発性のう胞腎とは、両側の腎臓に多数の水の入った袋(のう胞)が発生する遺伝性の腎臓病です。腎臓以外にも肝のう胞や脳動脈瘤など、様々な臓器に障害が生じることが知られています。子供の頃は症状がありませんが、20~30歳代以降になると腎のう胞が少しずつ大きくなってきます。そうなると腎機能も次第に低下するため、進行すれば人工透析を受けなければならなくなります。60歳頃までに約50%の方が腎不全になるといわれています。
この病気の頻度は約4,000人に1人と言われており、日本には約31,000人いると推測されています。両親のいずれかがこの病気の場合、2分の1の確率で子供に遺伝します。
これまでこの病気に対して有効な薬はあまりなかったのですが、V2受容体拮抗薬のトルバプタン(商品名:サムスカ)という薬が登場し、腎のう胞が大きくなるのや腎機能が低下するのを抑制する効果が期待されています。2015年1月より多発性嚢胞腎は医療費助成対象疾病(指定難病)になり、医療費の補助を受けることができるようになりました。